やはり僕らは人ですから、オーバーワークの中で、処理しきれない、普段あたりまえのことができなくなることがあるけです。普段はしないようなことをしてしまったり、普段なら気付くことも気にならなくなってしまったり。マンガ「働きマン」ではないですが、衣食睡眠すべての観念にしばられなくなるといいますか、そこしか見えない集中力を発揮してしまう。一見いいことのようですが、逆に視野がせまくなっている状態でもあると思うのです。そして、昨日でした。やめることが決まった会社の残務をこなしながら、ハードなフリーペーパーの仕事をハンドリング&実務。取材してても、なにしてても、つねにケータイ電話がなってました。このところ。そんな忙しい状況をよろこんでやってました。バカですね。忙しいとハイになるんですよ、この仕事は。汁がでるのです。で、先週のことでしょうか、取材した翌々日にはデザインアップです。それが1、2ページならわかりますけど、同時平行で、しかも半日以下のタイミングでつねに結果をせまられる段取りだけでも相当な時間が。ダブルブッキングはあたりまえ、スタッフの保険までうちながら、気分屋で、担当がはじめてだというクライアントさんのおもうがままに、きっついスケジュールにたえてました。さらにクオリティももとめられる。そして仕事は昔の恩師。ことわれない。無理してやってました。そして、デザイン出しに言ったデザイナー宅の前、駒沢通りで駐車違反。交差点のおまけつきで18000円なり。この時点で1ぺーじちかいギャラがパー。めげない、がんばれ! 駐車違反のイヤリングをはずし、むちゃな仕事のために再度車で仕事に向かう俺。終電をとおにこえて時間からのデザインピックアップ&納品。時計は3:00。これから本業の入稿。職場から200mと離れていない駐車場。あしばやに真っ暗なオフィスにポツンと電気をつけ、入稿データのチェック。ノンブルの間違い、そにれともなう指示書への修正、修正のページ指定、流用データのお願いなど。時計をみれば5:00すぎ。昨晩、特製カレーをつくってまってくれていた彼女の顔がうかぶ。印刷所の箱に封筒をなげこみ、急いでオフィスのセキュリティーを設定。車にもどる。そこには、ほんの2時間前までナニでもなかった俺のスパイダーが、ゴミ人間の仕業で傷だらけになっていた。呆然としたまま、文字どおりぼろぼろになったホロをきづかいながら、ドアをあける。室内にはカード類や領収書がさんらん。いまだ状況が把握できない俺。ipodも大学生のときから使ってきたアーネットのサングラスも、ETCもそこにおさまっていたカードもなかった。普段なら絶対にそのまま車から離れない。普段なら、そんな時間に人気のない駐車スペースにおかない。たかがといっても、思い入れのあるものもふくめれば金額はつけられないけど、5万円もならないだろう、いっても。そんなもののために、僕が失うことになるのは、ディーラーで修理すれば3、40万円はかかるソフトトップの修理代金、警察のとりしらべ作業で拘束された入稿日の睡眠に使う2時間。不必要にとられるすべての指の指紋。短時間に手袋で指紋をけして作業する、ナイフでオープンカーのほろを切り裂く犯人がしのびこむ映像の刷り込み。なぜ、その瞬間、そこにいて、そうした行動をとったのか。事故歴のある自分はこれまでひと一倍わかってきたつもりだったけど、つらい。懸命にはたらいて、日銭をかせぐ俺のよこで、他人の財産をなんのためらいもなく奪い去るサル野郎がいる五反田の治安事情。そして、昼間の駐車違反の件によって導かれるように、あの時間、あの場所にとめざるをえなかった俺の運命。こわい。本当に。正直な話、今年ネットで詐欺に遭遇した。完璧に事件だ。それでも現行の法律ではとりしまれない。ちょっと油断すればナニがおこるかわからない街、というか国になったのだね、この国は。50万程度の副収入は50万程度の犯罪被害に消えた。自己責任だと、みんなはいう。そりゃそーだろ。そんな人が隣人である中で、僕らや、仕事にうちこむ人間はどーやって安心して仕事できる。気持ちが沈んでいると、ダークサイドをひきよせる。おはらいしようというのは、半分本気な感じだ。正直、外にでるのもこわいくらい、気持ちはおちてるけど、それでも今よこで、デザイナーに最後のらふを書き、見出しまわりのテキストをおこす。この仕事のやりすぎは危険だ。心のスキをつくり、それを狙う人間が世の中に今おおくいる。ネットの購入も、車でドライブすることもできないぐらいショックをうける。仕事はほどほどに、一歩ひいて冷静に行動することが、結局は一番豊かな生活をもたらしてくれるような気がした。人それぞれだろうけど。
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by juunf_ex
| 2005-08-16 06:33